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1998 年度 実績報告書

水銀系銅酸化物超伝導体単結晶の作製と物性

研究課題

研究課題/領域番号 10640340
研究機関京都大学

研究代表者

廣井 善二  京都大学, 化学研究所, 助教授 (30192719)

キーワード高温超伝導 / 銅酸化物 / 単結晶 / 臨界電流密度
研究概要

種々の単結晶育成法により、HgBa@@S22@@E2CUO@@S24+δ@@E2の単結晶育成を試みている。これまで報告されているのはすべて封管法を用いたものであり、HgOを含むプリカーサーの部分溶融状態から結晶が得られている。この方法で得られている最大の単結晶サイズはせいぜい0.1mm角である。本研究では、Hg分圧ともう一つの重要なパラメータである酸素分圧を別々に細密制御しながら、封じた石英管中でBa@@S22@@E2CuO@@S23@@E2プリカーサーのメルトとHgガスを反応させることにより、単結晶を析出させることを試みている。また、別の試みとして、VやTiの酸化物単結晶成長について有効な方法である化学輸送法を試みる。これは、封管中で原料を適当な輸送材(塩素ガスやヨウ素など)を用いて低温部に輸送し、反応析出させる気相反応法である。銅酸化物ではこれまでこの方法が用いられた例はないが、輸送材の選択と成長条件の設定がうまく行けば非常に高品質の結晶が得られる可能性がある。さらに水熱合成法を用いて水溶液中から単結晶を析出させることを試みている。これは水の超臨界状態を利用するものであり、条件が最適化できれば最も良質の単結晶が出来る可能性がある。どの方法においてもSrTiO@@S23@@E2などの単結晶基板を用いることで単結晶薄膜の作製も試みる。
その他の成果として、Bi系超伝導体において多量のPbを置換した単結晶を作製し、その特性を調べた結果、非常に大きな臨界電流密度の増加を観測した。この試料を電子顕微鏡で調べた結果、Pb濃度の異なる2相がラメラ状に交互に並んでいることがわかり、その界面が高温で有効なピニングセンターとして働いていることを示した。また、本年度購入したニコン社製偏光顕微鏡により試料の表面状態の検討を行った。この結果は、Bi系高温超伝導体を使った超伝導線材開発へのプレークスルーとなることが期待されている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Z.Hiroi: "Two-Phase Microstructures Generating Efficinet Pinning Centers in the Heavily Pb-Substituted Bi_2Sr_2CaCu_2O_<δ+δ> Single Crystals" J.Solid State Chem. 138. 98-110 (1998)

  • [文献書誌] Z.Hiroi: "High-Voltage High-Resolution Electron Microscopy Study of Alkaline-Earth Copper Oxides" Microscopy Research and Technique. 40. 251-264 (1998)

  • [文献書誌] 山田高広: "辺共有一次元鎖化合物Cu_2GeO_4の合成と磁性" 粉体および粉末冶金. 45. 1136-1141 (1998)

  • [文献書誌] S.Sugai: "Spin Gap at the Phase Transition between Spin Liquid and Long-Range Ordered State in La_<1x>Sr_xCuO_<25>" Rev.High Pressure Sci.Technol. 7. 571-573 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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