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本研究で得られた主な結果は以下の通りである。
1.乱れた2次元系での近藤効果を量子モンテカルロ法を用いて調べた結果、磁性不純物の位置に依存して、局在スピンは伝導電子のスピンにより完全に遮蔽される場合と遮蔽されない場合とがある事が明らかになった。また、局在スピンと伝導電子のスピンとの相関関数は、局在スピンが遮蔽されている場合でも局在スピン近傍での強磁性的スピン相関が著しく抑えられ、局在スピンが遮蔽されていない場合は局在スピン近傍での反磁性的スピン相関が著しく抑えられる事が明らかになった。
2.有限温度でのアンダーソンモデル・軌道縮退アンダーソンモデルの有限温度における素励起スペクトルをベーテ仮説に基づく厳密解を用いて調べた。系が価数揺動領域から近藤領域に移り変わる場合、或は結晶場中にある場合の有限温度での素励起スペクトルの温度変化系統的に調べた。得られた結果を基に実験で観測されている熱力学量の振る舞いを議論した。
3.数値的厳密対角化と共形場理論に基づく有限サイズスケーリングとを組み合わせることでスピンギャップを持つ様々な1次元量子スピン系の磁場中での臨界的性質を調べた。スピン相関関数の臨界指数の磁場依存性を計算し、得られた結果に基づいて、S=1/2二本足梯子物質、及びハルデーンギャップ物質でのNMR緩和率の実験結果を説明した。
4.ランチョス法に基づく連分数展開を用いて、次近接相互作用を持つS=1/2ボンド交替鎖で見られる磁化プラトー領域での動的構造因子を計算した。得られた結果を、この系の有効ハミルトニアンであるS=1/2XXZ鎖の厳密な素励起スペクトルとの比較において解析した。
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