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1999 年度 実績報告書

圧力誘起超伝導体CeRh_2Si_2の基底磁気構造と磁気揺らぎの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640346
研究機関大阪大学

研究代表者

河原崎 修三  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028262)

キーワードCeRh_2Si_2 / Heavy fermion / Neutron Scattering / waguetic structure / high pressure
研究概要

圧力誘起超伝導体CeRh2Si2の基底磁気構造と、磁性の圧力に対する応答を調べるために、圧力下の中性子回折実験を精密化し、さらに関連物質Ce(Ru0.85Rh0.15)2Si2での圧力下回折実験を行った。その結果、CeRh2Si2の基底磁気構造は、4個の独立な磁気変調ベクトルが重畳することによって作られる4-q構造であること、圧力によって、この構造が消失すると同時に(他のもう一つ反強磁性相とは共存しながら)超伝導が出現すること、が明らかになった。さらに、反強磁性転移温度と反強磁性モーメントの間の関係を、圧力パラメータとして求めたところ、低圧力では両者は比例関係を持ち、モーメントが消失する臨界圧力近傍では、転移温度は殆ど一定のまま反強磁性モーメントだけが急激に減少するという極めて興味深い現象が観測された。この現象が、重い電子系物質での、いわゆる微小モーメント秩序と関連があると考え、その一般性を調べるために行った、Ce(Ru0.85Rh0.15)2Si2での実験では、この現象がより顕著に観測され、臨界圧力領域では転移温度とモーメントは低圧側とは別の比例関係を持つことが明らかになった。このことから、重い電子系の長距離秩序には、異なる二つのregime、即ち、RKKY-regimeと準粒子regimeが存在し、後者が、微小モーメント秩序の正体であるとの結論を得た。この結論は、重い電子系の磁気秩序に関する従来の理論に重要な変更をせまるものと考えており、より詳しい研究を行うため、2000年度の科研費に「重い電子系における圧力誘起量子現象の中性子散乱による研究」を申請した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Kawarazaki et al.: "Ground state magnetic structure of CeRh_2Si_2 and the response to hydrostatic pressure as studied by neutron diffraction"Physical Review. B61. 4167-4173 (2000)

  • [文献書誌] S.Kawarazaki et al.: "Pressure-induced small moment Order in Heavy Fermion Compounds"Journal of Phys.Soci. Of Japan. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] M.Sato,S.Kawarazaki et al.: "New spin fluctuation in the heavy fermion compound CeRu_2Si_2"J.Phys.Chem.Solid,. 60. 1203-1204 (1999)

  • [文献書誌] Y.Yamamoto,S.Kawarazaki: "M-SR study on the ground state magnetic stracture in CeRh_2Si_2"Physica B. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Y.Yamamoto,S.Kawarazaki: "Low temperature properties of the heavy fermion Ce(Ru_<1-x>Rhx)_2Si_2 at the magnetic-non-magnetic boundaries"

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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