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1998 年度 実績報告書

2次元ペロブスカイト酸化物における電子相関の圧力制御

研究課題

研究課題/領域番号 10640349
研究機関広島大学

研究代表者

中村 文彦  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (40231477)

キーワード強相関電子系 / 酸化物超伝導 / 圧力効果 / 輸送現象 / 次元性
研究概要

p波超伝導の可能性が示唆されている酸化物超伝導物質Sr_2RuO_4は,銅酸化物高温超伝導物質であるLa_<2-x>Sr_xCuO_4と同様な構造を持つ電子相関の強い系の超伝導体であり,銅酸化物超伝導体の参照物質である.高温超伝導では,母体の反強磁性体にキャリアーをドープすると反強磁性が消失し低温で超伝導が出現する.これは磁気秩序と超伝導との競合関係を理解する上で興味深い.しかし,始めからキャリアードープされた超伝導体Sr_2RuO_4は,元素置換による電子相関の制御が困難なため,母体の性質を知ることは難しい.そこで,圧力で電子相関の大きさ・次元性を変化させ,磁性・超伝導相の出現・消失を制御,母体の電子状態を明らかにすることを目指している.今年度は,8GPaまでの高圧下でSr_2RuO_4の電気抵抗測定を行った.その結果,約3GPaまでの加圧で面内方向の抵抗率の温度依存性に“こぶ"が誘起され,このこぶは約8GPaの圧力で消失することがわかった.このとき,電気抵抗は温度の4/3乗に従う.この温度依存性は2次元の強磁性揺らぎに関連して現れることが知られている.また,関連物質のSrRuO_3が強磁性であることからSr_2RuO_4でも強磁性的相関が重要であると推測される.すなわち,銅酸化物超伝導体では反強磁性相を母体としたd波超伝導であると考えられているのに対し,Sr_2RuO_4で見られる超伝導は,p波であり,強磁性相近傍にあることが強く示唆される.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Yoshida et al.: "Electronic crossover in the highly anisotropic normal state of Sr_2 RuO_4 from pressure effect on electrical resistivity" Physical Review B. 58. 15062-15066 (1998)

  • [文献書誌] F.Nakamura et al.: "Transport properties of La_<2-x> Sr_x CuO_4 under pressure" Physica C. in press. (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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