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1999 年度 実績報告書

脂質膜の静的及び動的構造の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640372
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

末崎 幸生  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (80069484)

研究分担者 一の瀬 浩幸  佐賀医科大学, 医学部, 教務員 (10232406)
竹生 政資  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (30207005)
キーワードラングミューア単分子膜 / 静電斥力 / ラインテンション / 球状2分子膜ベシクル / 曲げ弾性 / 吸着平衡 / コーヒーカップ状ベシクル / 形状転移
研究概要

(1)脂質膜の静的物牲に関する研究の一環として、宇都宮大学の加藤らによって観測された部分的にフッ素化されたカルボン酸の作る、2次元のラングミューア単分子膜でのナノクラスター形成要因について前年から研究していた。一様な分布によるカルボン酸の2次元膜上での静電気的反発エネルギーの損失と、クラスター形成によるラインテンションエネルギーの損失との拮抗で、一様なクラスター形成のサイズがきまるというモデルによる計算を遂行した。デバイ-ヒュッケル近似による静電気的反発エネルギーの数値計算の見積もりの結果は、観測されたナノクラスターのサイズをよく説明するものであった。この結果は論文1に発表した。
(2)脂質2分子膜の作る水中の球状ベシクルに蛋白質分子タリンを加えると、コーヒーカップ状のベシクルに形態変化を起こすという、名古屋大学の宝谷らの観測結果を理論的に解析した。タリンは濃度依存的にカップの縁に吸着し、縁形成エネルギー(ラインテンション)と膜の曲げ弾性エネルギーの拮抗で、カップの縁の直径が変化するというモデルで観測事実を説明した。ラインテンションは吸着平衡によってきまることを統計力学的に示し、観測結果を説明することができた。この結果は論文2に発表した。
(3)科学技術振興財団の佐野らによって観測された、アゾベンゼンカルボン酸のつくる2次元のラングミューア単分子膜でのテープ状会合体の、添加塩による凝集現象の理論的解析を現在進めている。
(4)さらに膜融合の理論モデルとして、円筒状ベシクルから分裂して2つの球状ベシクルヘ形態変化を起こす系をモンテカルロ法によって解析するプロジェクトを進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Ichinose,T.Kato,M.Takefu,Y.Suezaki: "Electrostatic Theory on the Formation of Monodispersed Two-Dixunsibnal Nanogize Clusters of Partially Fluorinated Surfactants"Langmuir. 15・14. 4705-4709 (1999)

  • [文献書誌] Y.Suezaki,H.Ichinose,K.Takoguchi,H.Hotani: "A Statistical Mechanical Theory for the Adsorption of Proteins to Lipusomal Membranes"Biophysical Chemistry. 80. 119-128 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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