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1999 年度 実績報告書

分子の振動励起状態における純回転遷移周波数の精密な測定

研究課題

研究課題/領域番号 10640382
研究機関富山大学

研究代表者

松島 房和  富山大学, 理学部, 助教授 (40142236)

研究分担者 高木 光司郎  富山大学, 理学部, 教授 (60018976)
小田島 仁司  富山大学, 理学部, 助教授 (50233557)
キーワード遠赤外 / 分子分光 / 回転スペクトル / 振動励起状態 / H_2O
研究概要

本研究は,分子の振動励起状態について純回転スペクトル周波数をマイクロ波分光なみの良い精度で測定し,分子理論の検証に役立つような精密なデータを収集解析するのが目的である。用いた分光装置は富山大学の波長可変遠赤外分光計であり,これまで測定例の乏しい振動励起状態の周波数データを2桁以上改善することができた。
測定ではまずH_2O分子のν_2振動第1励起状態(v=1)を対象に研究を進めた。この状態は基底状態に比べ分子の数が少なくスペクトル強度が小さいが、用いた遠赤外分光計の感度を生かして測定を進めることができた。さらに、試料のセルをホットセル等にするなどの改良を加えて弱い吸収線も観測出来るようにし,ほぼ予定通りの成果をあげる事ができた。これまで知られていた分子定数で計算した周波数と今回の測定結果を比べると,これまでの計算値に数百MHzもずれているものがあることがわかった。我々の測定値を用いて分子定数を決め直し,測定値を百kHz程度で再現する分子定数を得ることができた。
また,実際の測定までは至らなかったが,より高い振動励起状態への光ポンピングもできるように,励起用の高出力半導体レーザー光源の開発も進めた。
一方,分子理論の検証には振動励起状態の分光データとともに,同位体分子の分光データも同様に重要である。今回測定を進めたH_2O分子ではその同位体のH_2^<17>O,H_2^<18>O,D_2Oなどで未だにフーリエ分光計のデータが使われているので,我々の分光計で測定をし直し,精度良い周波数表と分子定数を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hitoshi Odashima: "Tunable Far-Infrared Spectroscopy of ^<82>KrD^+,^<84>KrD^+,^<86>KrD^+ and ^<82>KrH^+"Journal of Molecular Spectroscopy. 190. 107-111 (1998)

  • [文献書誌] Fusakazu Matsushima: "Rotational Spectra of ^<20>NeH^+,^<20>NeD^+,^<22>NeH^+ and ^<22>NeD^+"Journal of Chemical Physics. 109. 2242-2245 (1998)

  • [文献書誌] Fusakazu Matsushima: "Frequency Measuremest of Pure Rotational Transitions of H_2^<17>O and H_2^<18>O from 0.5 to 5 THz"Journal of Molecular Spectroscopy. 193. 217-223 (1999)

  • [文献書誌] Hitoshi Odashima: "Far-Infrared Rotational Spectrum of ArD^+"Journal of Molecular Spectroscopy. 195. 356-359 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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