研究概要 |
本研究は,希ガスクラスターを標的として電子エネルギー損失分光実験を行い,孤立原子・分子ではその性質がよく知られているFeshbach共鳴(負イオン共鳴)状態が,クラスターという有限の大きさを持った閉じた空間に存在しうるかどうかの直接的な実験的検証を行うことを目的としている。 今年度は,昨年度に製作した二次元データ収集システムの性能の向上と動作確認を行い,それを用いてクラスターを標的とした測定を試みたが,現在のところクラスターにおける負イオン共鳴信号が得られていない。いくつかの確認実験によりその原因は主にクラスタービーム強度不足によることがわかったので,来年度はパルス分子線源を用いて標的ビーム強度を増やし,継続して研究を行う予定である。
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