研究課題/領域番号 |
10640411
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
半田 駿 佐賀大学, 農学部, 教授 (70156529)
|
研究分担者 |
下泉 政志 北九州職業能力開発短期大学校, 助教授
湯元 清文 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20125686)
茂木 透 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80182161)
田中 良和 京都大学, 大学院・理学研究科・地球熱学研究施設, 助教授 (00025420)
|
キーワード | 海底電磁力計 / MT観測 / 対馬 / 電気伝導度異常 |
研究概要 |
1 海底電磁力計(OBEM)の改良 従来のOBEMは、底流のない深海での長期間の測定を想定している。しかし、この研究の目的である九州西方海域では、大きな底流のため、この様な仕様では満足なデータを得ることができない。さらに、底引き網等によるトラブルから、長期の観測は望めない。そのため、底流にも揺れないような安定し、かつ小型船舶でも設置可能な小型の装置を開発する必要がある。このためには、装置を小型化して、重心をできるだけ低くすることが重要である。本年は、まず佐賀大学所有のOBEM本体を、メーカーの協力を得て小型化するよう改良した。 2 有明海での試験観測 また、装置の安定化のためには、電極用アームの形状も考慮する必要がある。装置の検討から、できれば、アームは海底に置かれるのが望ましいことが分かった。従来の電極は海水中に浮いているが、これを海底に置いた場合、良好なデータが得られるかどうか、またアーム長はどれくらい短縮できるかを知るために、有明海で試験観測を実施した。観測では6m,4mの2種類のアームを海底に接地させて測定を行った。また、海岸でも同時観測を実施し、得られた結果を比較検討した。その結果、海底に接地しても良好なデータが得られることが確認できた。また、電場アンプの利得は、高頻度で観測可能なパルセーション帯域(〜1nT)を測定するためには、現在のものより10倍程度大きくする(低ノイズ化する)必要があることが明らかになった。 3 対馬でのMT観測 海底観測のための装置の開発に平行して、九州西方のマントル良導体の分布を考える上で重要な、対馬列島でMT観測を実施した。この予察的結果によれば、対馬でのインダクション・ベクトルは、長周期になると極端に小さくなり、かつ南を向く傾向があることが分かった。
|