研究課題/領域番号 |
10640415
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
謝 尚平 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00261347)
|
研究分担者 |
塩谷 雅人 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (50192604)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 熱帯収束帯 / 大気海洋相互作用 / 気候モデル / 風速・蒸発・海面水温フィードバック / 大西洋の南北シーソー振動 / 大気海洋結合不安定モード / 夏期モンスーン / 砂漠の形成 |
研究概要 |
太平洋の熱帯収束帯(ITCZ)がなぜ北半球に偏在するのかというは気候学の長年の謎である.その謎を解明するため、大気大循環モデルと海洋1.5層モデルから成る大気海洋結合ハイブリッドモデルを作成した。南北対称な基準の海陸設定に、アフリカ大陸のような海洋東岸の北半球5N以北に大陸を付け加えた実験を行った。その結果、平均的に海面水温は北半球で高温、南半球で低温、またITCZは北半球に存在するという現実的な南北非対称分布を示した。一方、海洋の西岸に張り出した大陸を付け加えた実験では海面水温や降水量の平均分布はほぼ南北対称であった。以上から、太平洋ITCZを北半球へ偏在させているのはアメリカ大陸で、ユーラシア大陸ではないということが示唆された。 熱帯大西洋は、気候平均場には太平洋とよく似た特徴を持っているにもかかわらず、非常に異なった気候変動を示している。特に、熟帯大西洋では、赤道を挟んで南北半球の海面水温がシーソー振動することが知られている。このような南北シーソー振動がなぜ太平洋に見られないかという問題を、大気海洋モデルを用いて調べた。その結果、熱帯大気海洋結合系にエルニーニョのような南北対称モードと、大西洋シーソーのような南北反対称モードがそれぞれ存在していることが分かった。また、この2種類モードの成長特徴から、東西幅の大きい太平洋では、対称モードが不安定に成長し卓越する、一方、幅の狭い大西洋では、両モードが共存することが示された。 熱帯大洋のうち、インド洋は太平洋と大西洋と大きく異なり、強い季節風に支配されている。理想化した海陸分布の下で大気大循環モデルを用いて数値実験を行った結果、夏期モンスーンの時間発展における陸面過程と地球自転効果について新しい知見が得られた。
|