太陽、太陽風、磁気圏、電離層データの揃った典型的なサブストーム/磁気嵐の例についての惑星空間磁場の向き、太陽風の圧力に対する夜側磁気圏の応答を調べた。その結果、夜側磁気圏での磁力線再結合によって起こる粒子加速領域の空間スケールが、サブストーム各相で変化することを示した。また、磁気圏の応答時間を考慮して太陽風電場と磁気圏電場の解析を行った結果、内部磁気圏でも惑星空間電場に5駆動される電場変動が存在することを示した。 また、極軌道衛星SAMPEXの1 MeV電子データを用いて、磁気嵐に伴う内部磁気圏(L=2-8)での粒子分布の変動を統計的に調べた。磁気嵐の主相時には、急激な電子フラックスの現象が見られる。環電流発達に伴う磁場変動が引き起こす捕捉粒子軌道の変化とSAMPEXの1 MeV電子変動との関係を環電流のモデルを使って統計的に調べた。その結果、Lが大きい領域の減少ほどの環電流の影響を上まわる減少が起こることがわかった。このことは、放射線帯の外部境界領域での粒子の磁気圏外への放出、あるいは急激な内側への輸送を示唆している。
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