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1998 年度 実績報告書

海底ドリル・コアサンプルの鉱物・地球化学的研究による古環境変動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10640444
研究機関東洋大学

研究代表者

青木 三郎  東洋大学, 文学部, 教授 (50112917)

研究分担者 神山 宣彦  労働省産業医学総合研究所, 環境測定部, 部長 (80133643)
キーワードX線分析 / 蛍光X線分析 / 粘土鉱物 / ドリルコアサンプル / アラビア海 / ベンガル海底扇状地 / メキシコ湾 / 堆積環境
研究概要

平成10年度の研究目的は、アラビア海、ベンガル扇状地末端部、メキシコ湾の3海域、で採取されたドリル・サンプルのX線回折計による粘土鉱物組成とアラビア海サンプルの蛍光X線分析計による化学組成分析である。アラビア海で採取された80サンプルの粘土鉱物組成分析では、以下のような点が特筆できる。第一は、分析サンプルの半数近くにパリゴルスカイトが認められることである。この鉱物は陸上では砂漠など乾燥地帯に限定されて産出し、堆積環境を知る指示者となる。次に、イライトとクロライトのいわゆる砕屑性粘土鉱物の含有率が高いことやスメクタイトとカオリナイトの含有率がサンプルによって大きな変動幅が認められる。これらの結果は、地質年代によってこれら陸上起源の砕屑性鉱物がアラビア海への運搬が気候などの環境変化によって影響されてきたことを暗示している。ベンガル湾のドリル・サンプルは78個を分析した。粘土鉱物組成の特徴は、含まれていないパリゴルスカイトを除く上述の4種の粘土鉱物の含有率の変動幅が大変大きいことである。この変動幅の原因として、ヒマラヤ山地の隆起運動と連動していることが指摘される。つまり、隆起運動が活発の時はイライトやクロライトなどの砕屑性鉱物の含有率が増加し、そうでない時は、スメクタイトやカオリナイトなど気候変化に敏感な鉱物が増加するという考えである。メキシコ湾のドリル・サンプルは59個が分析された。ベンガル湾と同じく4種類の粘土鉱物組成の垂直的変化について調べた。ドリル地点によって粘土鉱物組成にかなりの変動が認められる。特にスメクタイトの含有率は、3地点において大きな差異が認められまた垂直的にも顕著な変動が認められる。次にアラビア海のサンプルについて蛍光X線分析で得られた結果についてみる。珪酸塩鉱物の指示者であるFe/Al,Ti/Al,K/Al比では各ドリル・サンプルで異なる結果が得られていることは地点によってまた地質年代によってこれら砕屑性鉱物の種・量の堆積量の違いを示すものと考えられ、またSr/Al,P/A1比が各ドリルサンプルで異なっていることは炭酸塩鉱物や有機物の堆積量の違いを示し、年代や地点での堆積環境の差異を反映した結果と考えられる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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