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2000 年度 実績報告書

波・潮・流れの沿岸堆積ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640445
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

熊代 浩子 (岡崎 浩子)  千葉県立中央博物館, 地学研究科, 上席研究員 (10250135)

キーワード古東京湾南縁 / 下総層群 / 砂嘴-内湾システム / バックセット層理 / テクトニクス
研究概要

1.千葉県中部の木更津台地の下総層群上泉層にはギルバート型粗粒三角州堆積物がみとめられた.この三角州堆積物は高角度に傾く前置層が発達し,前置層の大規模フォーセット層理の内部堆積構造に"バックセット層理"が含まれることを明らかにした.バックセット層理は高流砂階で特徴的に発達する堆積構造で,調査地点のような大規模な発達は,日本からは報告例が今までなく,今回の報告がはじめてである.また,前置層には前置面での高密度混濁流の流下によって形成された平行層理相と高流砂階のシュートとプールが前置面を上流側に移動することによって形成されたと考えられるバックセット層理相の繰り返しがみられる.この内部堆積構造とその組成(粒度や貝化石群集)には明瞭な相関が認められ,組成からも形成過程の違いが特徴づけられた(岡崎ほか,2000)。
2.木更津台地の下総層群を対象として,堆積相分布と指標テフラの認定から求められた基底面の等高線図の形状の比較から当時と古東京湾の堆積作用とテクトニクスについて考察した.その結果,下総層群藪層の基底面の形状と堆積相分布からは,古東京湾の湾口付近に発達する砂嘴-内湾システムが復元された.また,堆積システムの変遷から藪層のシークェンス層序を考察すると藪層は1回の氷河性海水準変動に対応して形成され(酸素同位体比ステージ9),砂嘴の発達は海水準上昇期に生じ,また,高海水準期から海水準降下期には湾の埋積がおこっていることが明らかになった(岡崎ほか,2001a).また,木更津台地の下総層群各累層の基底面等高線図の解析からは,下総層群下部(地蔵堂層〜薮層)堆積時では南方の嶺岡隆起帯に伴う沈降の影響が,その後(上泉層〜姉崎層堆積時)に,鹿島-房総隆起帯の隆起の影響による北西傾動がより優勢になるというテクトニクス像が得られた(岡崎ほか,2001a,b).

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岡崎浩子,伊左治鎭司,中里裕臣: "更新統下総層群上泉層にみられるギルバート型粗粒三角州"地質学雑誌. 106. 461-471 (2000)

  • [文献書誌] 岡崎浩子,佐藤弘幸,中里裕臣,鎌滝孝信: "中部更新統下総層群薮層から復元された砂嘴-内湾システム"堆積学研究. 52. 63-74 (2001)

  • [文献書誌] 岡崎浩子,佐藤弘幸,中里裕臣: "更新統下総層群の形成ダイナミクス"第四紀研究. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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