研究概要 |
愛媛県城川町、高知県佐川町の黒瀬川帯に分布する三畳系・上部ペルム系を主対象として野外調査を行った。このほか、東京都五日市北方〜青梅市西部域の上部ペルム系・三畳系、宮城県気仙沼市付近のこれまで上部ペルム系と考えられていた地層群でも同様な調査を行った。城川町の田穂石灰岩では地質柱状断面の作成、石灰岩相の観察、厚さにして50cm〜2mごとに約50ヶ所からサンプリングを行った。田穂石灰岩最下部はペルム紀後期にまで及んでいる可能性が高い。 従来のペルム紀後期・三畳紀の有孔虫化石の研究に、これら本年度の研究成果を加え、研究論文を数本作成している。そのうち1つは、Palaeogeography,Palaeoclimatology,Palaeoecologyで現在印刷中である。 日本の三畳紀有孔虫化石の一部は筆者、Kobayashi(1996)とKristan-Tollmann(1991)により本格的に研究されただけで、研究者数・研究に必要不可欠な文献は国内では不足している。このため、東北大図書館での文献調査、国外の研究者への問いあわせなどにより文献資料の収集を行っている。また、今年度購入した顕微鏡写真撮影装置で日本各地から筆者が新たに見い出した三畳紀やペルム紀後期の有孔虫化石の写真撮影を行っている。
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