研究概要 |
・裂歯類3種類のうち,Higotherium hypsodonおよびcf.Trogosus sp.については初年度に論文の印刷を終了していたが,残る1種類については今年度になって下顎歯列の化石が新たに見つかり,そのクリーニングを進めた. ・汎歯類のうち,Asiocoryphodonの頭骨については引き続きクリーニングを進めたが,頭骨と下顎が複雑に絡まっているため頭骨と下顎の分離はなお完了していない.しかし,クリーニングの終了した範囲内で,昨年度および今年度の中国での比較研究を通して,現時点までの同定(A.Cf.conicus)と知見をまとめた. ・その他,奇蹄類の原始的なバク類(=Orientolophus sp.),および齧歯類(Rodentia fam.indet.)を確認した. ・赤崎層は初年度に調査した熊本県御所浦からさらに鹿児島県甑島方面に延びているため,6日間の野外調査を現地で行った.同定可能な標本は無かったものの,多数のカメ類や哺乳類の骨化石が発見でき,今後の調査に期待が持てることが判明した. ・中国の古脊椎動物古人類研究所に出張し,本研究の成果と途中経過について意見交換を行った.また,あわせて中国産の種類の模式標本や関連標本を詳しく比較研究するとともに,それらのレプリカ作成を行い,今後の論文作成の際の比較資料とした. ・2年度にわたる研究の成果を取りまとめ,論文等の別刷りなどとともに,研究成果報告書を作成した.
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