研究概要 |
低硫化系浅熱水性システムによって形成された当別(別名:日章)金銀鉱床の中性変質帯および志計礼辺山酸性変質帯(通商産業省資源エネルギー庁,1991;Maeda and Cai,1997)の関係と,シケレぺ山溶岩のデイサイト質噴出活動,志計礼辺山酸性熱水活動および浅熱水性金銀鉱化作用の関係をおもに検討した。 当別中性変質帯と志計礼辺山酸性変質帯との間には,比較的広く中性〜アルカリ性の変質帯が分布していることが判明した。そのアルカリ性帯では,鉱物組合せに基づいて,濁沸石帯,輝沸石帯,方沸石帯およびモルデン沸石帯に,その中性帯では,カリ長石帯,イライト帯およびイライト/スメクタイト混合層鉱物帯にそれぞれ細分される。また,プロピライト帯やスメクタイト帯も分布する。 志計礼辺山酸性変質帯は,シケレペ山溶岩分布域に発達し,デイサイトは白色化し,かつ,著しく珪化し,鉱物組合せに基づいて,明バン石帯(石英+明バン石±ソーダ明バン石±南石±ディッカイト±カオリナイト±黄鉄鉱)およびナクライト帯(石英+ナクライト±ディッカイト±黄鉄鉱)に区分される。明バン石帯から灰色細粒石英-ソーダ明バン石脈を見出し,現在,その鉱脈のAu,Ag,Hg,Se,Te,As,Sb,Tl,Cu,Pb,ZnおよびFeの12成分について湿式化学分析によって検討中である。
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