研究課題/領域番号 |
10640460
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80111582)
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研究分担者 |
佐藤 暢 東京大学, 海洋研究所, COE研究員
加藤 泰浩 山口大学, 理学部, 助手 (40221882)
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キーワード | インド洋海嶺 / ロドリゲス海嶺三重点 / 中央海嶺玄武岩 / 熱水変質 |
研究概要 |
白鳳丸KH93-3航海でインド洋ロドリゲス海嶺三重点付近からドレッジで得られた約2000kgの海底岩石中には、変質度に関する差異が認められた。特に南西インド洋海嶺東端の、海嶺三重点付近の水深3000mから5050mにいたる急崖には、高度差約1500mに渡り、海洋地殻の断面が露出している。この急崖から約1000個の変質程度の異なる玄武岩が1回のドレッジにより採集されている。これらの岩石を用いて、中央海嶺玄武岩の熱水変質や海底での低温風化に伴う元素の挙動を明らかにするために、主成分および微量成分元素の全岩化学分析を中心に研究を行った。岩石はA)ほぼ新鮮な中央海嶺玄武岩(MORB)、B)粘土鉱物を含む褐色に変質した玄武岩、C)緑泥石や硫化物を含む緑色に変質した玄武岩やドレライトに区分できる。グループBの岩石は、グループAの岩石に比べてK、Rb、Uに富み、低温下での海底風化作用に起因すると考えられる。一方グループCの岩石はMn、Mg、Na、CuとZnに富み、Ca、K、Co、Rb、SrとBaに乏しいという地球化学的特色を示す熱水変質玄武岩である。すなわち、前者は海嶺での熱水からのベイス・メタルの付加、後者は中央海嶺での海洋地殻内の海水循環に由来するクロライト化やアルバイト化といった熱水変質作用に起因すると考えられる。上記のような玄武岩の変質に関する地球化学的特徴は、国際深海掘削計画(IPOD/ODP)の深さ2000mに至る掘削孔504B中の枕状溶岩帯から漸移帯を経てシート状岩脈帯までの岩石に見られる、特色ある地球化学的変化に相当している。中央海嶺系と緑海を伴う島弧海溝系の火成作用及びその変質課程の比較研究も行った。
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