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1999 年度 実績報告書

水和・脱水和したイオン性ゲルの誘電的性質の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10640494
研究機関九州大学

研究代表者

佐々木 茂男  九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30225867)

研究分担者 前田 悠  九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20022626)
キーワード体積相転移 / NIPAゲル / 誘電分散 / イオン性NIPAゲル
研究概要

温度制御と、電磁波シールドが優れているゲル誘電測定システムを確立し、ゲルに合わせた測定セルを開発した。電導度が1μs以下だと、0.1〜1MHzの周波数領域の誘電分散が測定できるようにした。
イオン基・スチレンスルフォン酸を導入したNイソプロピルアクリルアミド(NIPA-SS)ゲルを合成し、(導入量は、モノマー換算で、0%(NIPA)、0.1%(NIPA-SS1),0.5%(NIPA-SS5)である。)種々の温度における、ゲルの誘電分散を測定した。ゲル内でのイオンの拡散挙動の温度依存性を、我々が開発した拡散係数測定法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,69,2173-2178(1996))を用いて調べた。これらの実験結果から、1)収縮状態のNIPAゲル内の低分子イオンの拡散係数は、膨潤状態のそれの1/100ぐらいになっていること、2)電導度もそれに応じて、減少していること、3)収縮状態では、NIPA、NIPA-SS1、NIPA-SS5いずれのゲルにおいても、低周波分散(10〜100Hz)高周波分散(1MHz)を示すこと、4)膨潤状態のNIPA-SS1、NIPA-SS5ゲルは、分散周波数0.2MHzの誘電分散を示すが、NIPAゲルは分散を示さないことが明らかとなった。これらの実験結果は、収縮状態においてゲル内の水分子が、電気的に絶縁状態、つまり、分散したクラスターとして存在している(Water in oil状態にある)ことを強く示唆している。また、3)の結果は、収縮状態において、ゲル内の対イオンとゲル鎖のイオン基の間で強いイオン対が形成されていること、水和構造の緩和周波数が10〜100Hzであることを示唆している。これらの結果は、論文として一部はすでに発表し、一部は投稿中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 佐々木 茂男: "Dielectric properties of collapsing hydrogels"Macromolecules. 32. 4619-4624 (1999)

  • [文献書誌] 佐々木 茂男: "Mechano-chemical patterns in collapsing gels"Colloid and Interface Science. 211. 204-209 (1999)

  • [文献書誌] 佐々木 茂男: "Effects of Donnan osmotic pressure on the volume phase transition of NIPA gels"Langmuir. 15. 4266-4269 (1999)

  • [文献書誌] 佐々木 茂男: "Effect of the hydrophobicity of chain on Ca^<2+> binding to ionic gels"Langmuir. 14. 796-799 (1998)

  • [文献書誌] 川崎 英也: "Effects of the gel size on the volume phase transition of poly(N- isopropylacrylamide) gels : A calorimetric study"Langmuir. 14. 773-776 (1998)

  • [文献書誌] 川崎 英也: "Partition of salts between N-Isopropylacrylamide gels and aqueous solutions"Langmuir. 16. 1444-1446 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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