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1999 年度 実績報告書

時間分解分光法によるゼオライト吸着系光化学反応ダイナミクスの展開

研究課題

研究課題/領域番号 10640502
研究機関群馬工業高等専門学校

研究代表者

橋本 修一  群馬工業高等専門学校, 一般教科・自然科学, 教授 (70208445)

キーワードゼオライト / 光化学 / 分子拡散 / 芳香族分子 / 拡散係数 / 電荷移動錯体
研究概要

ゼオライト細孔ネットワークにおける分子拡散の探求
光化学的手法を応用して、ダイヤモンド格子校増をとるフォージャサイト型結晶の細孔ネットワークにおける芳香族ゲスト分子の拡散速度を求め、拡散係数を決定する方法を考案した.すなわち、ゼオライトに吸着された芳香族分子の三重項をレーザー光励起によりつくりだし、これの別のゲスト分子による三重項-三重項エネルギー移動による消光を時間分解拡散反射分光法により観測した.そして、三重項ゲスト分子の消光動力学に関するランダム・ウォークモデルを構築し、実験的に得られた三重項分子の吸収の時間減衰曲線に関してこのモデルを用いて解析し、拡散係数を得た.たとえば、NaYゼオライトにおいて室温でのアズレン、アントラセンの拡散係数は2.0×10^<-15>m^2s^<-1>、1.7×10^<-16>m^2s^<-1>のようになった.NMR、MDなどの方法によりベンゼンのような簡単な分子の拡散係数のデータは既にあるが、その値は10^<-10>から10^<-13>m^2s^<-1>とかなりバラツキがある.また、ベンゼンより大きな分子の拡散係数のデータはほとんどないため、本方法により多くの分子について拡散係数を求めることには意義がある.
ゼオライト吸着系における電荷移動錯体の形成とその性質
電子供与性と電子受容性の2種類の芳香族分子をY型ゼオライトに同時に吸着させることにより電荷移動錯体(CT錯体)が形成されることがわかった.そして、電荷補償イオンを交換してゼオライトの電子供与性の度合いを変化させた場合、ゼオライトの電子供与性が高いほどCT吸収ピークエネルギーが大きくなることを見出した.このことは特定のCT錯体の吸収ピーク位置を用いてゼオライトの電子供与性を評価できる可能性を示し意義深い.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S. Hashimoto et al.: "Do the cherge-transfer complexes of 1, 2, 4, 5 - tetracyanobenzene with arenes serve as a probe for surveying chemical properties inside"Langmuir. 15・9. 3123-3133 (1999)

  • [文献書誌] S. Hashimoto et al: "Hypermobility of aromatic quest species in zeolites as observed from anthracene triplet self quenching in Na Y"J. Phys. Chem. B. 103・43. 9149-9155 (1999)

  • [文献書誌] S. Hashimoto (V. Ramanurthy Ed.): "Surface Photochemistry"Marcel Dekker. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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