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1999 年度 実績報告書

放射光とレーザーの同時照射による分子の多光子電子励起

研究課題

研究課題/領域番号 10640504
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

見附 孝一郎  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50190682)

研究分担者 彦坂 泰正  日本学術振興会, 特別研究員(PD)
岩崎 光太  日本学術振興会, 特別研究員(PD)
水谷 雅一  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90311191)
キーワード放射光 / 真空紫外光解離 / 前期解離 / 自動イオン化 / レーザー誘起蛍光分光 / レーザー多光子イオン化 / 回転分布 / ポンプ プローブ分光
研究概要

気相N_20分子を室温下のもと真空紫外放射光でイオン化し、生成したN_2^+(X^2Σ_g^+,v_x=0)の回転分布を、389-392nmの範囲に渡りX→B遷移を利用したレーザー誘起蛍光法で測定した。放射光の光子エネルギーはN_20^+(C^2Σ^+に収斂する3dπリュドベリ状態(励起エネルギー18.556eV)に合せた。蛍光の検出には427nm付近の(B^2Σ_u^+,v_B=0)→(X^2Σ_g^+,v_x=1)遷移を用いた。回転線の理論強度分布とレーザーのエネルギー幅を考慮してシミュレーションを行った結果、N_2^+の回転温度は約220Kと求められた。従って、3dπ状態の自動イオン化で生成するN_2O^+(B^2II)が前期解離する際に、回転温度の冷却が引き起こされたことがわかる。N_20^+(B^2II)の平衡構造は折れ曲り形が安定であり、またその解離寿命は約60fsと変角振動の周期に比べて長いので、解離は主にC_s対称性から進行すると判断した。そこで、LeveneとBalentiniによる"modifiled impulsive mode1"の取扱いに従って、N_20^+(B^2II)の屈曲角∠NNO=θが曲がるに連れてN_2^+の回転エネルギーがどう変化するのかを古典的に計算した。このモデルでは結合の開裂が瞬間的に起こり、かつN-N結合が堅く余剰エネルギーがN_2^+の振動励起には分配されないことを前提としている。解析の結果、N_2O^+(B^2II)イオンの解離の振舞いは、「N_20^+(B^2II)の回転の寄与に基づくN_2^+の回転角運動量」と「瞬間的解離の寄与に基づくN_2^+の回転角運動量」が平行方向を向くいわゆる"Low J"の極限に従うと結論された。即ち、元々のN_2O^+(B^2II)の回転運動を打ち消す方向にエネルギー放出が起こると予想された。これは系の軌道角運動量が最大になる場合に相当し、解離しつつあるN_2O^+の感じる遠心カポテンシャルが大きいほうが前期解離を起こしやすい傾向を示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Gary K. Jarvis: "Rotational -Resolved pulsed field ionization photoelectron study of NO^+ (X^1Σ^+, V+≦32) in the nergy range of 9.24-16.80 eV"Journal of Chemical Physics. 111(7). 3058-3069 (1999)

  • [文献書誌] K. Mitsuke(見附,孝一郎): "Laser photoionization of polarized Ar atoms produced by excitation with synchrotron radiation"Journal of Physics, B. 33. 391-405 (2000)

  • [文献書誌] H. Niikura(新倉,弘倫): "Rotational state distribution of N_2^+ produced from N_2 and N_2O observed by a laser-synchrotron radiation combination"Chemical Physics Letters. 317. 45-52 (2000)

  • [文献書誌] K. Mitsuke(見附,孝一郎): "Superexcitation and Subsequent decay of triatomic moleculas Studied by two-dimensional photoelectron spectroscopy"Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena. (発表予定).

  • [文献書誌] K. Mitsuke(見附,孝一郎): "SR-pump and lasor probe experiments for the photofragmentation dynamics of atoms and molecules"Photonic, Electronic and Atomic Collisions, XXI-ICPEAC. (発表予定).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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