研究課題/領域番号 |
10640539
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
天野 良平 金沢大学, 医学部, 教授 (30111769)
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研究分担者 |
榎本 秀一 理化学研究所, RIビームファクトリー計画推進室, 研究協力員 (10271553)
鷲山 幸信 金沢大学, 医学部, 助手 (80313675)
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キーワード | 脳 / SOD / マルチトレーサ法 / 中性子放射化分析法 / Mn(マンガン) / ZN(亜鉛) / 生体微量元素 / 活性酸素 |
研究概要 |
活性酸素種の一つスーパーオキシドアニオンを分解する酵素、SODをからだの中に多くもつ動物ほど長生きすると考えられている。金属がこの酵素の中心的な役割を果たしている。この課題に対して「原子核をプローブとするマルチトレーサ法および中性子放射化分析法」を用いて、脳内の金属SOD酵素の生物無機化学的研究を展開している。研究期間の初年度98年度は、脳内各部位(大脳皮質、線条体、海馬、橋延髄、小脳)における金属の取込率と金属濃度を決定した。(1)Znでの短時間の取込は1-2%dose/g程度で局所の変化は認められなかった。一方、Zn濃度の定量結果では海馬に濃縮がみられた。(2)Mnでの短時間の取込はは0.2-0.9%dose/gと局所により大きく変化している小脳で多く橋延髄で少ないようであった。一方、Mn濃度の定量結果では局所による変化は認められなかったが、週齢の高いマウスではMn濃度が減少していた。今年度99年度も、年齢を1日齢〜53週齢まで拡大し、脳内Zn、Mnの金属について次のような知見を得た。 1.Mnの短期間の取込は、若年齢(1日齢〜1週齢)で極めて高い。一方、Mn濃度はこの期に極めて低い。このことは成長期におけるMn要求度の高さを示している。 2.Znについても調べ、若年齢(1日齢〜1週齢)での取込は高いが、Mnほど極端なものではなく、Zn濃度についてもMn違ってはこの期に一定であることが判った。 このことより、成長期におけるSOD濃度の決定が非常に重要であることが判明した。現在SOD酵素の単離法を引き続き考慮中である。
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