研究概要 |
1. テトラアザ[14]アヌレン及びその金属錯体の合成…1,2-ジアミノベンゼン、2,4 -ペンタンジオンと塩化ニッケルより、ニッケル(II)イオンの鋳型反応を利用して、テトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(1-Ni)を約50%の収率で合成した。この錯体を、無水エタノール中塩化水素ガスを吹き込み、テトラアザ[14]アヌレン(1)を約40%の収率で合成した。1と酢酸銅より、その銅(II)(1-Cu)を約60%の収率で合成した。 2. 機能性基の合成…3-ヒドロキシ安息香酸とベンジルジブロミドより、3-ベンジルオキシ安息香酸を経て、塩化チオニルと反応後、酸塩化物(2)を合成した。他のオルトやパラ置換のベンジルオキシ安息香酸やその酸塩化物も類似の方法で合成した。同様にして、アニス酸よりその酸塩化物(3)を合成した。 3. 7,16位置換ベンゾイルテトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(4-Ni,5-Ni)の合成…1-Niと2をトルエン中トリエチルアミン存在下、3日間加熱還流し、7,16位置換ニッケル錯体(4-Ni)を約50%の収率で3種類合成した。このニッケル(II)錯体の7,16位のベンジルエーテルを還元し、水酸基を有するニッケル(II)錯体(5-Ni)を得た。 4. 7,16位置換ベンゾイルテトラアザ[14]アヌレン(6)の合成…1と3をトルエン中トリエチルアミン存在下、1日80℃で加熱後7,16位置換テトラアザ[14]アヌレンを得た。置換基のメチルエーテルを還元し、水酸基を有するテトラアザ[14]アヌレン(6)を得た。これらの化合物は、質量、電子、IR、NMRのスペクトルや元素分析等よりその生成を確認した。現在キノン等の分子認識を、IRやNMRのスペクトル等より検討している。
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