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1998 年度 実績報告書

強磁場下の遠赤外〜近赤外分光測定およびその分子性導体への適用

研究課題

研究課題/領域番号 10640555
研究機関東京大学

研究代表者

田島 裕之  東京大学, 物性研究所, 助教授 (60207032)

研究分担者 花咲 徳亮  東京大学, 物性研究所, 助手 (70292761)
キーワード分子性導体 / 有機伝導体 / 遠赤外分光測定 / 反射スペクトル
研究概要

本研究は、微小な単結晶の強磁場下分光測定が可能なシステムを製作し、それを用いて分子性伝導体の強磁場下の遠赤外〜近赤外反射スペクトルを、測定するというものである。本年度においては、分光測定システムのテスト、および試料ホルダーの設計を行った。以下その結果を記す。
i) 本システムにおいて最も重要な点は、充分な光強度を稼ぎ、なおかつ高感度の検出器を用いるという点である。その観点から、飽和しない範囲で検出器(ボロメーター)がもっとも高感度になるように、低温フィルターおよびアパーチャーの再調整を行った。
ii) クライオスタントに挿入する試料測定用のホルダーに関しては、当初、外部からステッピングモーターを用いて、機械的に動かす方式を検討していたが、装置が大掛かりになるため、一部ピエゾアクチュエーターを用いることに変更し、現在外部に発注している。試料ホルダーが完成した後に、測定システム全体のテストを行う予定である。
また、今年度はこれらの装置の設計、テストと並行して、次ページ論文リストに記したような研究成果を得ている。中でも、(DMe-DCNQI)_2Li_<1-X>、Cu_Xに関する成果は特筆すべきものであり、これにより一次元系分子性導体では、電子相関による光学ギャップと、ドメイン壁の運動による電気伝導が、共存することが、実験的な見地からはじめて明らかになった。この系の研究をさらに進めるためには、遠赤外領域の分光測定が欠かせないため、本システムの完成を待って、測定を行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Tajima et al: "Pressure-Temperature Phase Diagram of a Molecular Superconducton α-EDT-TTF[N:(dmit)_2]" High Pressure Sci.Technol.7. 532-534 (1998)

  • [文献書誌] T.Yamamoto et al: "Reflectance Spectra and Temperature Dependence of Electrial Resistivity of (Me_2-DCNQI)_2Li_<1-x>Cux" J.Phys.Soc.Jpn.(in press).

  • [文献書誌] N.Hanasaki et al: "Hybrid-dimensional System in M(dmit)_2 Salt" Synthetic Metals. (in press).

  • [文献書誌] S.Kyoden: "Physical Properties of (TMET-STF)_2 BF_4" Synthetic Metals. (in press).

  • [文献書誌] H.Tajima: "The study of 4k_FCDW in a One-dimensional System (DMe-DCNQI)_2Li_<1-x> Cux" Synthetic Metals. (in press).

  • [文献書誌] J.Yamaura: "Low Temperatune X-ray Study of Phrely One-dimensional Electronic System" Synthetic Metals. (in press).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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