分散系の安定性は静電反撥力、ファンデアワールス引力、吸着膜立体障害反撥力、液体構造形成による反撥と引力、水和反発力などに支配される。 二体表面間力法はこれらの相互作用成分を直接測定できる唯一の方法である。ここでは、原子間力顕微鏡を使い、二体表面間力におよぼす表面電荷、対イオン結合、表面疎水化度の研究を基礎に混合微粒子共存系の溶液構造と粒子表面間相互作用成分の定量的研究を進めている。 その結果、疎水性対イオンが粒子表面に結合すると、粒子表面電荷符号の反転が起こり、その近辺の対イオン濃度で表面間力は静電反撥力とファンデアワールス力に加え、表面の疎水化による疎水性引力が存在するを明らかにした。これらの成果は間もなく論文として公表する。同時に、本研究の目的、混合粒子系の表面間力測定が開始され、その系の分散安定性におよぼす相互作用成分の解析がなされようとしている。
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