研究概要 |
昨年に引き続きエーテル性側鎖を有するポリシランを合成し,主にサーモクロミズムとソルバトクロミズム挙動を詳細に検討した.側鎖のエーテル性酸素と主鎖ケイ素原子間をメチレン鎖長を代えて調節した水溶性ポリシランのサーモクロミズム挙動は,メチレン鎖長に無関係に,溶液中においては温度の低下に伴い連続的なレッドシフトを示す.また,すべての水溶性ポリシランは上記メチレン鎖長の違いに無関係に,180Kにおいては322nmに吸収極大を示す.SiSiあたりのモル吸光係数も小さく,水溶液中だけでなくアルコール,THF中においても糸毬状の形態をとっていることが明らかになった. 水素結合形成によるソルバトクロミズムを,水素結合供与体を代えて調べた.Cl_3CCH_2OH,CF_3CH_2OH,CF_3COOHは,(CF_3)_2CHOHと同等のスペクトルシフトを引き起こすことが明らかになった. より広範な取り巻く環境との相互作用によるクロミズム現象が期待できるので,メチレン鎖長の異なるポリジアルキルシランを用いて媒体の粘度,誘電率の効果を調べている.
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