ゾルゲルガラスに担持された遷移金属1希土類イオンからのナノ構造発光特性

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10640567
• 研究機関: 成蹊大学
• 研究代表者: 森田 眞 成蹊大学, 工学部, 教授 (70054351)
• 研究分担者: ドリス ラウ 成蹊大学, 工学部, 嘱託助手 ; 馬場 基芳 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (60159077)
• キーワード: ゾルゲルガラス / 力構造 / 発光特性 / 遷移金属イオン / 希土類(III)イオン

研究概要

ゾルゲルガラスの分光特性を次の5つの面から研究し、^*を印刷した。(1)^3LMCT遷移による発光を示す、3d,4d,5d族イオンの比較研究として、Cr^<6+>([Ar]),Mo^<6+>([Kr]),W^<6+>([Xe]4f^<14>)イオンに注目してその発光特性を紫外線レーザー励起で調べ、WではT_d,O_hの二つのサイトの生成を確認した。W,Moらの発光強度は微弱であるが、今後とも波長可変色素レーザーで選択励起してその寿命を確認する必要がある。(2)遷移金属イオンV^<5+>に注目し、その錯体がゾルゲルガラス中でV^<3+>→V^<5+>となる実験条件を模索した。レドックス反応は極めて初期におこり、焼成したガラスにV(III)錯体の存在を立証出来なかった。今後、水素ガスと活性炭で還元雰囲気を作り、酸化反応を抑制する必要が有る。(3^*)希土類(III)イオンを含むゾルゲルシリカガラスおよびキセロゲルガラスを調整し,Eu(III)イオンから他の希土類イオンへのエネルギー移動過程をルミネッセンス分光により検討した。従来通常のガラスでは、Dexter理論での共鳴伝達が成り立つが、このようなナノサイズの細孔を持つ系では此れと異なりトラップ律速と成ることが判明した。(4^*)ゾルゲル法で調整したジルコニア薄膜にドープした半導体ナノクリスタルZrO_2:CdS(Mn^<2+>),およびZrO_2:CdS(Eu^<3+>)の発光特性を調べ、Mn^<2+>の2量体発光および表面制御による極めて短い発光寿命を見い出した。(5^*)ゾルゲル法で透明セラミックスPLZT(X/Y/Z):Eu^<3+>を合成し、酸化物法の場合と比べて母体の^3LMCT発光がf-f遷移にくらべて相対的に強まり、一方で、組成比の違いがf-f遷移の分裂と寿命に大きな差異を与えることが明かになった。

研究成果

• [文献書誌] S,MURAKAMI,M.HERREN,D.RAU T.SAKURAI,M.MORITA: "Low-Temperature luminescence and energy transfer process in Cu^<3+>,Nd^<3+> and Cr-doped sol-gel PLZT ceramics"J.Lumin.. 83-84. 215-219 (1999)
• [文献書誌] S.BUDDHUDU,M.MORITA,S.MURAKAMI,D.RAU: "Temperature-dependent luminescence and energy transfer in europian and rare earth codoped neurostructured ・・・sol-gel silica glasses"J.Lumin.. 83-84. 199-203 (1999)
• [文献書誌] M.Morita,M.Herren,H.Ausai,D.Rau: "Excited-state cluial dncre****alonn of Tb(III)Coupl***s of (S,S')-and (R,R') ethylendiamine ・・・lumin dec**y ***fils"J.Lumin.. (2000)
• [文献書誌] S.Muramaki,M.Morita,M.Herren,T,Sakurai,D.Rau: "Near iofrac*d luminescence and spectral anen*aly in PC2T ceramics doped with Pr^<3+>,Nd^<3+>,Yn^<3+> and Cr^<5+> ions at low *****"J.Lumin.. (2000)
• [文献書誌] M.Morita,D.Rau,H.Fui* et.al.: "Photolumin of CdSiMn^<2+> and Eu^<3+> nonopathos dupirred in Zirconia sol-gel films"J.Lumin.. (2000)
• [文献書誌] S.Murakami,M.Herren,D.Rau,M.Morita: "Photolumin and dece** profiles of undoped and Fe^<3+>,Eu^<3+>-doped PL2T ceramics・・・to lo**"Inary Chimec Acta. (2000)