| 研究概要 |
ジシクロヘキシル-18-クラウン-6(DC18C6)のクロロホルム溶液による塩酸溶液(1〜10mol/l)中の微量白金(IV)イオンの正逆抽出における諸因子(溶媒,試薬濃度,クラウンエーテル,塩酸,ストリッピング剤,振り混ぜ時間など)の影響について調べ,白金(IV)の最適抽出分離条件を以下のように決定した。
白金(50μg/ml)を含む8mol/l塩酸溶液(10ml)をガラス共栓つき遠心管(30ml)に取り,DC18C6(0.05mol/l)のクロロホルム溶液(10ml)を加え,振とう機で5分間振り混ぜ,二相を2,000rpm(5分)で遠心分離する。次に抽出された白金(IV)を逆抽出する。有機相からストリッピングされた白金(IV)は,プラズマ原子発光光度法(ICP-AES)により定量する。
この条件下では,白金(IV)は97%抽出されるが,パラジウム(II)は1%,ロジウム(III)は0%の抽出率であり,白金(IV)はパラジウム(II)とロジウム(III)から容易に分離できた。白金(IV)の抽出化学種は,傾斜比法により[H_3O・DC18C_6^+]_2[PtCl_6^<2->]であった。
本法により,PdCl_2とRhCl_3の試薬(特級)中には微量不純物としてPt(IV)がそれぞれ16.39μg/g,8.94μg/g含まれていることが分かった。
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