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1999 年度 実績報告書

温帯林構成樹の階層別光合成速度に及ぼす水と光環境の影響

研究課題

研究課題/領域番号 10640617
研究機関奈良女子大学

研究代表者

古川 昭雄  奈良女子大学, 理学部, 教授 (10124356)

研究分担者 藤沼 康実  国立環境研究所, 地球環境研究センター, 研究管理官 (10219032)
キーワード温帯林 / 光合成 / 気孔コンダクタンス / 樹冠 / 稚樹
研究概要

本研究の目的は,森林の樹冠から林床までの森林構成樹種の光合成と気孔コンダクタンスを測定し,環境と温帯林の機能との関係を明らかにすることである。
平成11年度は,樹冠部の光合成速度の日変化を測定し,光合成速度の日中低下が起こる要因の解析を行った。すなわち,樹冠部を構成する葉群によるCO_2吸収速度が樹冠下層部の葉群によるCO_2吸収速度よりも低いのは,樹冠部の葉の光合成速度が日中に低下するため,日積算光合成速度が低くなると考えられるからである。そこで,日中低下を起こす要因として考えられる気孔開度の減少,根系からの水分供給不足,葉内光合成産物の蓄積等について,測定系を変えて日変化を測定した。すなわち,同化箱に供給するCO_2濃度を1500μmolmol^<-1>にまで高め,気孔閉鎖によって生じる葉内へのCO_2供給不足を解消する測定系を用いて測定した結果,日中抵下は見られず,かえって午後の光合成速度が午前中よりも高いという結果が得られた。また,根系から葉への水分供給で最大の低抗となっている根で生じる抵抗を除去するために,切り枝を用いて測定したが,光合成速度の日中低下は観察されなかった。さらに,葉柄を蒸気処理して葉からの同化産物の転流を抑制したところ,蒸気処理後に光合成速度は急激に低下し,回復は見られなかった。以上の得られた結果を下に,気孔コンダクタンス,葉内CO_2濃度を求め,日中低下の要因を解析したが,日中低下を起こす最大の要因は,大気飽差の上昇による気孔の閉鎖によっていることが明らかになった。来年度は,樹冠下部の光合成速度について解析を行うとともに,日中低下を量的に捉える手法を考案し,日積算光合成速度がどの程度減少するかを明らかにする予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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