研究概要 |
シアノバクテリアにおける光環境への応答機構に関与する新たな遺伝子(ndhF3,sll1626)を同定した。 (1)pmgA変異株の光グルコース感受性を回復させるサプレッサー変異として、すでに同定しているndhF3変異の役割を解析した。ndhF3変異体は、他のndh変異株同様、プラストキノンの還元レベルが低下しており、光グルコース条件での光化学系量比の調節ができなかった。この結果より、プラストキノンの酸化還元レベルが光化学系量比を調節している可能性が示唆された。 (2)強光応答にかかわる新規の転写因子様遺伝子(sll1626)を見いだした。この破壊株は、運動性が抑制され、細胞凝集が促進される表現型を示した。これは、野生株を強光照射したときの応答によく似ており、sll1626が強光応答を示すときに遺伝子の発現を調節している転写因子であることを示唆している。また、DNAマイクロアレイ解析によって、sll1626破壊株では、運動に必須な線毛遺伝子の発現が抑制されていることを示した。
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