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1998 年度 実績報告書

トウモロコシ細胞壁のグルカナーゼ活性を調節する酸性蛋白質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640635
研究機関愛媛大学

研究代表者

井上 雅裕  愛媛大学, 理学部, 助教授 (80203256)

キーワード細胞壁蛋白質 / 細胞壁グルカナーゼ / オーキシン / 細胞伸長成長 / グルカン代謝
研究概要

オーキシンは細胞壁マトリックス多糖類のうちβ-1,3:1,4-グルカンの分解を特異的に促進して細胞壁の粘弾性を低下させ細胞の伸長成長を誘導する。本研究の目的はオーキシンによるグルカン分解の促進機構を解明するために、トウモロコシ細胞壁のグルカナーゼ(エキソとエンド型)と新規調節蛋白質AWとの分子間相互作用を解明することにある。本年度の研究により以下の成果を得た。(1)まず、トウモロコシ幼葉鞘の細胞壁蛋白質を塩化リチウム法で抽出した。その塩基性画分からエキソとエンドグルカナーゼを、さらに、酸性画分からAW蛋白質を分離精製できた。この際、複数の蛋白質分析用カラムを用いた。(2)精製したAW蛋白質をリシルエンドペプチターゼおよび臭化シアン切断した後、ポリペプチドを逆相カラムで分離し、アミノ酸配列を部分的に決定した。一方、精製したグルカナーゼのN末端配列を決め、これに基づき、特にエンドグルカナーゼの全塩基配列を決定した。蛋白質とDNAの構造をさらに詳細に調べる必要があり、継続課題とした。(3)蛋白質相互作用を正確に解析するために、グルカナーゼの反応生成物を購入した検出器、恒温槽および糖分析カラムを用いて分析した。その結果、酵素反応がAW添加によって相乗的に促進されること、さらに、この相互作用に影響を及ぼすカチオンの種類と濃度を決定した。過剰の細胞壁標品を基質に同様の実験を試みたが酵素とAWの顕著な作用はまだ確認できていない。この問題の解決のために複数のアッセイ系を試行すると同時に、細胞壁中での酵素とAWの局在と相互作用についても詳細に調べる必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Inouhe: "Changes in the activities and polypeptide levels of exo- and endoglucanases in cell walls during developmental growth of Zea mays coleoptiles." Plant Cell Physiology. 39. 762-768 (1998)

  • [文献書誌] B.Thomas: "Maize coleoptile endoglucanase is encoded by a novel gene family(accession no.AF072326)(PGR98-143)." Plant Physiology. 117. 1525 (1998)

  • [文献書誌] M.Inouhe: "Peptide characteristics and immuno-logical properties of exo- and endoglucanases purified from maize coleoptile cell walls." Journal of Plant Physiology. 発売予定.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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