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1999 年度 実績報告書

トウモロコシ細胞壁のグルカナーゼ活性を調節する酸性蛋白質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640635
研究機関愛媛大学

研究代表者

井上 雅裕  愛媛大学, 理学部, 助教授 (80203256)

キーワードオーキシン / キチナーゼ / グルカナーゼ / 細胞伸長成長 / 細胞壁代謝 / 酸性細胞壁蛋白質(AWP)
研究概要

オーキシンは細胞壁マトリックス多糖類のうちβ-1,3:1,4-グルカンの分解を特異的に促進して細胞壁の粘弾性を低下させ細胞の伸長成長を誘導する。本研究の目的はオーキシンによるグルカン分解の促進機構を解明するために、トウモロコシ細胞壁のグルカナーゼ(エキソとエンド型)と新規調節蛋白質AWとの分子間相互作用を解明することにある。本年度の研究により以下の成果を得た。(1)まず、トウモロコシ幼葉鞘細胞壁の主要なグルカナーゼである2種の酵素蛋白質の遺伝子構造、細胞局在性、器官分布、そして植物分布を解析した。これにより各グルカナーゼが単子葉植物の細胞壁に特有の蛋白質であることを示すと同時に、各器官の伸長生長に利用される共通の酵素であることも解明した。(2)各酵素のアップレギュレーションを行う酸性細胞壁蛋白質(AWP)の分離精製を進め、その画分には複数の重要な機能蛋白質が含まれることを解明した。その内の一つは蛋白質構造上、酸性エンドキチナーゼと高い相同性を示した。それがキチナーゼ活性を持つか否かは未確認だがグルカナーゼ活性を促進することを再確認できた。また、量的に多く使用可能な市販の酸性キチナーゼを用いて、グルカナーゼ活性、細胞壁オートリシス活性、細胞壁粘弾性低下に対するモデル実験を行い、明瞭な促進作用を確認した。従って、オーキシンによる細胞壁キチナーゼ制御が細胞壁グルカン分解と細胞成長調節に重要であると考えられる。今後、その制御機構並びに他の酸性蛋白質の機能について詳細に調べる必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Inouhe: "Peptide characteristics and immunological properties of exo-and endoglucanases purified from maize coleoptile cell walls."Journal of Plant Physiology. 154. 334-340 (1999)

  • [文献書誌] M.Inouhe: "Exo-and endoglucanases of maize coleoptile cell walls:their interaction and possbile regulation."International Journal of Biological Macromolecules. (発表予定).

  • [文献書誌] M.Inouhe: "Cell wall autolytic activities and distribution of cell wall glucanases in Zea mays L.seedlings."International Journal of Biological Macromolecules. (発表予定).

  • [文献書誌] B.R.Thomas: "Endo-1,3:1,4-β-glucanase from coleoptiles of rice and maize:role in the regulation of plant growth."International Journal of Biological Macromolecules. (発表予定).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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