研究課題/領域番号 |
10640643
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
井上 正保 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (90176446)
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研究分担者 |
宮城 布明 秋田県立大学, 生物資源科学部, 流動研究員
上田 健治 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助手 (80279504)
小野 道之 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (50201405)
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キーワード | 核マトリックス / 内部核マトリックス / モノクローン抗体 / ポリクローン抗体 / 核移行シグナル |
研究概要 |
高等植物の核マトリックス構成因子を明らかにする目的で、ニンジン培養細胞の核マトリックスを抗原にしてモノクローン抗体(MAb)のライブラリーを作製した。これらのMAbsの中から8G4MAb(CMH-8)で蛍光抗体染色したところ、核内部全体を特異的に染色した。この抗原である核内部マトリックスを構成するタンパク質の遺伝子についてクローニングを行った。ニンジン不定胚のcDNAライブラリーからCMH-8を用いてスクリーニングした結果、クローン66bが得られた。66bは全長1,467bpで418アミノ酸残基をコードし、配列内部には4カ所の核移行シグナルを持っていた。データベース検索において高い相同性を示す結果は得られず、新規の核マトリックスタンパク質をコードしているものと思われる。 大腸菌発現ベクターPET32を用いて大腸菌内で66bの産物を大量発現させ、それを抗原としてラットに免疫してポリクローン抗体(PAb)を作製した。このPAbはニンジン培養細胞の核内部マトリックスと特異的に反応し、核内部マトリックスのタンパク質であることが確認された。またこのPAbはニンジン植物体の葉及び主恨などの組織の他、タバコや単子葉植物のイネの培養栽培にも核に反応が認められた。しかし、Hela細胞の核では反応を示さなかった。これらの結果は66bの産物が高等植物に普遍的に存在し、核内部マトリックスを構成するタンパク質であると推測される。
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