研究課題/領域番号 |
10640643
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
井上 正保 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 教授 (90176446)
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研究分担者 |
宮城 布明 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 流動研究員
上田 健治 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 助手 (80279504)
小野 道之 秋田県立大学, 附属生物工学研究所, 助教授 (50201405)
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キーワード | 核マトリックス / 内部核マトリックス / モノクローン抗体 / ポリクローン抗体 / 核移行シグナル |
研究概要 |
高等植物の核マトリックス構成タンパク質を解析するために、ニンジン核マトリックスから抽出したタンパク質を抗原としたモノクローン抗体(mAb)のライブラリーを作製した。これらmAbsの中からmAb2A7(CML14)を用いて、ニンジン不定胚cDNAライブラリーをスクリーニングした結果、11種のクローンが単離された。これらのうちクローン85について、全長cDNAをクローン化して一次構造を明らかにした。85は全長2,203bpで602アミノ酸残基からなる分子量69.4KDaのタンパク質をコードしていた。このタンパク質はC末端とN末端領域にそれぞれSV40型と二極性型が重複する核移行シグナル配列が存在した。データーベース検索では85タンパク質はゼブラフィシュのpescadillo(pes)遺伝子産物とアミノ酸配列で約40%の相同性が認められた。pes遺伝子はヒトや酵母でも相同な遺伝子が見出されており、植物では相同な分子は見出されていないが、トマト、イネ、トウモロコシのESTとシロイヌナズナのゲノム解析で相同性の高い配列が認められる。従ってこのタンパク質は動物および植物界に普遍的存在していると思われる。ニンジンの各組織から抽出したRNAをノーザン解析したところ、カルス、不定胚、頂芽および主根などでは強いシグナルが検出されたが、成熟葉では弱いシグナルしか認められなかった。これらの結果から85遺伝子は細胞分裂の盛んな組織でより多く発現していることが示唆された。
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