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1999 年度 実績報告書

二形性(酵母型・菌糸型変換)を制御する遺伝子群の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10640650
研究機関奈良女子大学

研究代表者

鈴木 孝仁  奈良女子大学, 理学部, 教授 (60144135)

研究分担者 上原 悌次郎  大阪体育大学, 体育学部, 教授 (90025982)
岩口 伸一  奈良女子大学, 理学部, 講師 (40263420)
キーワード酵母 / Candida tropicalis / ニ形性 / 菌糸形成 / チアミン / サブトラクション法 / nmt1^+遺伝子 / チロシン脱リン酸化酵素
研究概要

二形性酵母Candida tropicalisにおけるエタノールで誘導される菌糸形成に特異的に発現する遺伝子群をサブトラクション法によってクローン化したところ、チロシン脱リン酸化酵素をコードするCtPP1と、チアミン代謝調節遺伝子nmt1^+ホモログ(Ctnmt1^+)とが単離された。
CtPP1は590アミノ酸残基からなるポリペプチドをコードしていた。CtPP1のアミノ酸配列に関しては、C.albicansのCPP1及びパン酵母のMSG5それぞれと55%及び30%の相同性を示した。C末端に位置する、チロシンホスファターゼ活性部位を含むVH1 subfamily保存領域のアミノ酸配列である約140アミノ酸残基の部分に関する限りでは、それぞれ76%及び43%となり、アミノ酸配列全体での相同性よりもさらに高い相同性を示した。RT-PCRを用いてCtPP1の転写産物を検出した結果、菌糸誘導条件下(エタノール培養)における菌糸伸長時期の細胞において、CtPP1は確かに発現していることが分かった。
一方、Ctnmt1^+は、341アミノ酸残基からなるポリペプチドをコードしていた。分裂酵母のnmt1^+とはアミノ酸レベルで58%、パン酵母のTHI5(機能が未明)とは73%のホモロジーを示した。ノーザンハイブリダイゼーションにより菌糸形成過程のCtnmt1^+の転写量を調べた結果、第一相後期と第二相後期の2時点で強くなることが判明した。Ctnmt1^+の発現はチアミン添加により直ちに抑制された。第一相後期にチアミンを添加してその発現を抑制すると菌糸細胞の伸長の抑制と枝分かれの促進が見られ、この効果を伴うチアミン添加時期とCtnmt1^+が第一相後期に一過性に発現する時期とが一致していた。以上のことから、本研究で得られた遺伝子Ctnmt1^+は、チアミンの代謝調節とともに菌糸の形態形成にも関わっていることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Iwaguchi S-1,Magee P.& T.Suzuki T.: "High-frequency occurrence of chromosome translocation in a mutant strain of Candida aibicans by a suppressor mutation of ploidy shift"Yeast. 16(in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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