研究概要 |
ヒドラのペダンクルの各部の小外植片を作成し、それらの外胚葉上皮細胞の足盤細胞への分化をモノクロナル抗体AE03を用いて蛍光抗体法によって検出し、また、通常の足部除去実験をペダンクルの各部分の下で足部を切断除去し行い、それぞれの個体での足盤の再生(足盤細胞への分化)をモノクロナル抗体AE03を用いて検出する実験の結果、「外胚葉上皮細胞はペダンクルの上部において分化の方向付けがなされ,下部において足盤細胞への決定を受けるが・足磐からの抑制によって分化自体は起こっていない」という事がほぼ確かめられた。 また、足部形成促進作用があるペプチドHym346の影響を上記のペダンクル小片の外植実験において検出することを試みたが、実験の時間的分解能の問題からか、有意な差異を検出することができなかった。今後、実験の時間分解能を上げることによってペプチドHym346の足部形成に及ぼす影響を再度解析して行くことを計画している。 Hym346の抗体によって、通常のヒドラのHym346の局在を検証したところ上皮性組織においてその存在を確認することができたが、足部において有意にその存在量が多いと言ったことまでは検出できていない。今後、染色方法の改善なども含めてこのペプチドの局在をより明瞭にして行く予定である。 足盤のサイズ調節ついては、ペダンクル下部の外植片の連結によって、その足盤細胞への分化が抑制される部分を検出できたので、やはり抑制的因子の存在は確かなものと思われる。今後、その因子の検出を足盤特異的に発現している遺伝子をDifferential Display of RT-PCR法によって単離して行くことなどによって試みる。
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