平成10年度に得られた知見としては、(1)ウズラの視床下部をセロトニン抗体により、染色した結果、Paraventricular Nucleus周辺において強い免疫陽性を示す細胞集団が存在することが明らかとなった。また、これらの免疫陽性細胞の数が明暗周期の暗期より明期において多いことが明らかとなった。共焦点レーザー顕微鏡により、これらの細胞が神経突起を脳室に対して直角に伸ばしていること、また相互に連絡しあっていることがわかった。(2)VIP免疫陽性細胞がPraventricular Nucleusの下方に存在していて、その繊維を脳室に対して平行に伸ばしており、セロトニン陽性細胞と連絡している可能性が示唆された。Paraventricular Nucleusでは、ロドプシンに対する陽性反応を示す細胞が存在することから、これらの細胞が密接に関係している可能性が明らかとなった。 平成11年度に得られた知見としては、(1)カエルのロドプシンに対する抗体を作成し、これによりカエル脳の免疫染色を行ったところ、視床下部の視交差上核および視索前核が染色された。(2)また、ヒキガエル頭部の分泌腺が免疫陽性を示した。(3)これらの場所で蛍光法により調べたところレチナールの存在が存在が示唆された。(4)ウズラの松果体のメラトニンリズムの光抑制に関与する視物質がピノプシンであることがアクションスペクトラム実験により明らかにされた。
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