研究概要 |
イスミ核は同側視蓋投射を受け,同側及び対側視蓋に投射する。イスミ核の機能を明らかにするために,イスミ核を電気刺激にたいする視蓋の電場電位を記録し,イスミ核から視蓋への投射を電流源密度解析法によって調べた。 対側イスミ核から視蓋への投射 第8層で最大となるSink1,視蓋表面で最大となるSink2,第6層で最大となる潜持の長いSink3が出現した。これらに対するSourceの位置を考慮すると,Sink1をもたらす視蓋細胞は,第6層に細胞体を持ち第8層で単シナプス性のシナプスを,Sink2を生じる視蓋細胞は細胞体を視蓋の第8層付近に持ち,視蓋表面で単シナプス性の入力を受ける。Sink3を生ずる細胞は細胞体を第6層付近に持ち、樹状突起を第8層当たりまで伸ばして多シナプス性の入力を受けていると考えられる。 同側イスミ核から視蓋への投射 第8層及びG層で最大となるSink1,第6層で最大となる比較的持続時間の長いSink2が現れた。これらのSourceの位置から判断すると,Sink1を生じる視蓋神経細胞は細胞体を第6層に持ち,第8層付近でイスミ核からの単シナプス性入力を受ける。Sink2を生じる視蓋神経細胞は第9層下部まで細胞体を伸ばし,第6層にある細胞体近傍で多シナプス性入力を受けている。イスミ核からの入力と,R3/R4網膜神経節細胞からの直接入力は,同じ視蓋神経細胞である可能性が高い。
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