本年度は、ヒドラのグルタチオン応答が生理活性物質で修飾されるような応答を発現するための条件の検討、コンピュータ支援行動応答測定システムの構築を試みた。 ヒドラの飼育条件の検討:ヒドラはアルテミアで飼育すするが、アルテミアを孵化させるときの塩の条件を適切に管理することが大事であることがわかった。ppt濃度の亜鉛イオンが大きく影響した。 コンピュータ支援応答測定システム:ヒドラの触手球形成応答を測定するためのコンピュータ支援システムを市販のパソコンを利用して構築した。このシステムではCCDカメラでとらえたヒドラの応答画像を2秒おきに5分間、画像キャプチャーボードを経由してコンピュータにディジタル画像として取り込む。これらの画像フレームから、ヒドラ画像のみを効率よく抽出・2値化し、ヒドラ画像についての画像特徴量(面積、周囲長、外接円経、円形度、フラクタル次元など)を計算するするプログラムを開発した。この部分はフリーで利用できるNIH Image(Macintosh用)に独自に開発したユーザ組み込み関数を用意するという形で実現した。 構築したコンピュータ支援システムで、いくつかの条件下でヒドラの応答を測定してみた。グルタチオン刺激時に同時に与える機械刺激の影響が大きいことがわかった。酸性型線維芽細胞成長因子の存在下と非存在下で応答を測定し、両者の間で差が検出できるための刺激条件・プログラムの解析パラメータなどを検討した。
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