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1998 年度 実績報告書

エゾタンポポにおける無融合生殖複合体の構造と形成過程

研究課題

研究課題/領域番号 10640678
研究機関新潟大学

研究代表者

森田 龍義  新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (30115084)

研究分担者 西野 貴子  大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20264822)
キーワードエゾタンポポ / 倍数体 / 無融合生殖 / 倍数性種分化 / アイソザイム
研究概要

エゾタンポポを中心とした倍数体タンポポの収集を、北海道〜九州にかけて行い、エゾタンポポ250個体に加え、5倍体1種、4倍体6種、3倍体3種を採取し、新潟大学の圃場において栽培した。この材料を用い、ポリアクリルアミド及びスターチゲル電気泳動法により、9酵素14遺伝子座について解析した。染色体の計数とアイソザイム分析の結果、以下の点が明らかになった。?エゾタンポポには、約56%の3倍体、約42%の4倍体とわずかな5倍体が含まれ、30以上のマルチローカスクローンを含んでいる。エゾタンポポのクローン間、他の倍数体種との関係を分析中である。(2)シロバナタンポポとみなして採集した九州の材料中に5倍体と4倍体の2つのクローンが存在することが判明した。4倍体クローンは外部形態的にもシロバナタンポポ(5倍体)と区別でき、新種ツクシシロタンポポとした。(3)ツクシシロタンポポを含む4倍体種のうち、シロバナタンポポの倍数体親の条件として3条件(A.シロバナタンポポに存在して日本産2倍体にはない対立遺伝子mdh-d、sod-1-aをもつ、B.シロバナタンポポにない対立遺伝子は持たない、C.2倍体の対立遺伝子を加えればシロバナタンポポのもつ全ての対立遺伝子が満足される)を設定して分析した結果、ツクシシロタンポポがシロバナタンポポの倍数体親であることが明らかになった。また、葉緑体DNA(trnT-Fのスペーサー領域)のPCR-RFLP分析を行った結果、Msp.Taq等の5制限酵素で断片長多型が見つかり、東アジア産のタンポポは、葉緑体DNAの異なる2つのグループに分けられることが判明した。2倍体レベルでは(1)カンサイタンポポ、カントウタンポポ、シナノタンポポ等のすべての低地性日本産2倍体を含むグループと、(2)台湾のタカサゴタンポポと済州島のイワタンポポを含むグループである。倍数体では、エゾタンポポはクシバタンポポ等とともに(1)のグループに属し、シロバナタンポポ、ツクシシロタンポポ等の倍数体は、(2)に属す。エゾタンポポの1クローンと予想したナンブシロタンポポは(2)に属すので、この知見を用いてエゾタンポポ複合体の範囲を正確に特定する作業を進めている。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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