研究概要 |
インド・西太平洋におけるクロサギ科クロサギ属魚類(Gerres)の47公称種を含む模式標本および分布域からの多くの比較標本に基づいて分類学的再検討を行った。その結果、すべてのシノニム関係を明らかにして6類似種グループ(complex)と2種の有効種を認め、下記にようにまとめられる。1)The Gerres oyena complex:G.oyena,G.baconensisとG.equulus;2)The Gerres filamentosus complex:G.filamentosus,G.infasciatus,G.macracanthusとGerres sp.1;3)The Gerres setifer complex:G.chrysops,G.decacanthus,G.setiferとG.silaceus;4)The G.erythrourus complex:G.erythrourusとGerres phaiya;5)The Gerres longirostris complex:G.longirostrisとG.oblongus;6)The Gerres subfascitus complex:G.japonicus,G.maldivensis,G.subfasciatus,Gerres sp.2およびGerres sp.3;特異的な種が2種:G.limbatusとG.methueni.なお、G.infasciatus、G.chrysops、G.silaceusおよびG.phaiyaは著者により未記載種と判断され、新種記載されたものである。Gerres sp.1、Gerres sp.2およびGerres sp.3も未記載種であり、現在投稿中である。なお、インドを模式産地として報告されたとするG.richiiは、東太平洋の有効種であった。さらに、それぞれの種の分布特性が考察された。
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