研究概要 |
カラーセンサーへの適用を目的として、ヒトの目の錐体(558、531、450nm)に近い吸収極大波長をもつ新しい人工視物質を開発し、以下の知見を得た。さらに光-電流特性を測定して色判定を行う必要がある。 1.青膜およびフォボロドプシンの吸収特性 昨年作成したアナログ色素はバクテリオロドプシン(wt-bR)に比べて吸収曲線がブロードであったため、本年度は安定な青膜(600nm)とフォボロドプシン(490nm)を採用した。bRをアルカリ(pH〜6)処理して大量の青膜を精製し、吸収測定したところ、600nm付近に明確な吸収ピークが見られた。さらに好塩菌細胞膜からフォボロドプシンを単離し、これが490nmに明確な吸収ピークもつことを確認した。人の錐体と比較してほぼ40nmずつ長波長側に平行シフトしている3つの色素の開発に成功した。 2.バクテリオロドプシンの光学特性 バクテリオロドプシンは非線形性をもつため、その透過率、屈折率、吸収係数の変化は入力光強度に依存する。ここではOD,熱緩和時間を考慮し、吸収係数の波長および光強度依存性を計算機シミュレーションした。その結果吸収係数変化は413nmで正となり、568nmのとき最大となることが分かった。
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