2年計画の初年度として、予定通り下記内容を実施した。 1. 2波長励起フォトルミネッセンス(PL)測定系の整備・予備測定:禁制帯内励起光用分光器、2波長励起用ファイバーヘッドを導入し、既測定のGaAs系量子井戸を用いて単一光子計数レベルの最適化等、測定系の調整を完了した。 2. GaAs/AIGaAs量子井戸の2波長励起PL測定 (1) 無ドープおよびSiドープGaAs/AlGaAs量子井戸の2波長励起PLおよびそのバンド間励起光、禁制帯内励起光エネルギー依存性から、各試料で検出された非発光再結合準位の空間分布、エネルギー分布を明らかにした。 (2) Si一様ドーブ試料で検出される井戸層内非発光再結合準位が、選択ドープ試料では見られないことを初めて実証した。 (3) 各試料内の非発光再結合準位のSRHパラメータをself-consistentに定め、定量測定が可能であることを明示した。 (4) これらに関し論文、国際ワークショップ発表を行った(発表論文の第一著者は申請者が指導する博士課程大学院生である)。
|