光の放射圧を利用してミクロンオーダーの微粒子を操作する研究は生物試料へ応用することに期待される。そこで、液体中において粒子の形状、力学的な特性などを計測する必要がある。この研究は微粒子を半導体レーザで捕捉すると同時に、粒子からの散乱光による帰還効果を利用して、粒子の変位を高精度で計測し、運動特性から粒子の特徴抽出、認識を行う方法を開発することを目的とした。研究計画に基づき本研究の目的をほぼ達成し、以下の成果が得られた。 ・半導体レーザ電流変調による外部共振器の共振状態を利用する散乱光共振モード信号を用いた位相検出法を開発した。 ・レーザと微粒子の間の距離を圧電素子によりシフトさせる位相検出法を開発した。 ・粒子の高精度な変位検出、粒子の光強度による変調特性からその認識の可能性を明らかにした。そしてデジタル信号処理による結果をもとに、ロックインアンプによる位相検出の高速化を実現した。 ・変位検出によってトラッピングされた粒子の力学的特性、光と粒子で構成する系のバネ常数を求める手法を確立した。
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