平成11年度において本研究代表者は、大規模系における動的相関関数の急速アルゴリズムの開発を行い、以下のような成果を上げた。 (1)大規模行列で記述される系に対して動的相関関数を計算するための高速アルゴリズムの確立とその汎用化、最終的にはパッケージ化をはかった。 (2)このアルゴリズムを、実行列のみならず複素行列で記述される系の場合も扱えるようにした。 (3)右ベクトルと左ベクトルに対応した固有値問題を運動方程式にマッピングした式に時間・空間の周期的外力を加え、その方程式が記述する系の時間発展を計算するアルゴリズムを作った。 (4)様々な行列の次数・型に対しテスト計算を行い、計算精度、計算時間、ベクトル化率、並列化等を調べた。
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