本研究の目的は、大規模行列で記述される系に対して動的相関関数を計算するための高速アルゴリズムの確率とその汎用化、最終的にはパッケージかをはかることであった。またこのアルゴリズムを、実行例のみならず複素行列で記述される系の場合も扱えるようにするのが、最終的な目標であった。本年度は、過年度において開発された実行列に対するアルゴリズムを一般の複素行列に対しても適用できるように拡張した。(1)まず任意のエルミート行列に対して適用可能なように一般化をはかり、具体的にはN次の複素エルミート行列の固有値問題に焼き直し、与えられたエルミート行列に対応する力学系の運動を打て意識を自動的に生成するアルゴリズムを作った様々な行列の次数・型に対してテスト計算を行い、計算精度、計算時間、ベクトル化率、並列化等を調べた。以上は主にユニックス・ワークステーションを用いて行った。ベクトル化・並列処理のためのチューニングは、スーパー・コンピュータおよびパラレル・コンピュータを用いて行った。この方法で具体的な物性物理学の問題に対し適用し、その威力を検証した。この研究課題の所期の目的は達成されたと考えられる。
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