• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

3次元地下人工き裂の動的応答解析と地下き裂評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10650070
研究機関東北大学

研究代表者

林 一夫  東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)

研究分担者 永野 宏治  室蘭工業大学, 工学部, 助手 (90212109)
新妻 弘明  東北大学, 工学部, 教授 (90108473)
キーワード地熱 / HDR / 貯留層き裂 / き裂評価 / AE / 弾性波
研究概要

内部を流体で満たされた円盤状き裂を3次元地下き裂の代表例として取り上げ、その動的応答特性を詳細に検討した。その結果、下記のように、TypeI,II,IIIの三つの振動形態が存在することを明らかにした。すなわち、フーリエ像空間において基本振動モードの明確なピーク周波数が見えなもの(TypeI)、フーリエ像空間において基本振動モードが明確なピーク周波数として現れるもの(TypeIII、および、TypeIとTypeIIの中間のスペクトル特性を有するもの(TypeII)の三つである。TypeIは、スペクトルが人工刺激のみに支配されているもので、き裂に加えられた人工刺激がき裂内を伝搬してゆく際に減衰が激しく、その結果、き裂先端で反射して定在波を形成することがないときに発現する。TypeIIIは、逆に、き裂に加えられた人工刺激がき裂内を伝搬してゆく際の減衰が弱く、従って、き裂先端で反射して定在波を形成しやすい条件下で発現する。き裂振動を支配するパラメータの観点から見ると、流体の粘性が小さい、き裂の初期開口変位が大きい、き裂上下面の部分接触の度合いが小さい、岩体の透水率が小さいという条件が満たされるとTypeIIIの形態となる。地下き裂のキャラクタリゼーションのためには、TypeIIIが実現されることが望ましい。上述の支配パラメータの内、岩体の透水率は人工的制御することは基本的に不可能である。また、流体の粘性を小さくすることにも限界がある。従って、残る二つのパラメータのき裂初期開口変位及びき裂上下面の部分接触の度合いを人工的に制御するという方策を採ることが現実的に有効である。このためには、貯留層圧力をできるだけ高く保持することが推奨される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 伊藤 伸: "地下き裂の振動特性に及ぼす流体の粘性と岩体の透水性およびき裂面接触剛性の影響(円板状き裂を用いた解析)" 日本機械学会論文集(A). 64・673. 91-96 (1998)

  • [文献書誌] Kazuo Hayashi: "Effect of Fluid Viscosity, Permeability of Rock and Crack Interfacial Stiffness on Dynamic Response of a Penny Shaped Geothermal Ressrvoir Crack-Further Details-" Geothermal Resources Council Transactions. 22. 203-210 (1998)

  • [文献書誌] 林 一夫: "地下き裂の振動特性に及ぼすき裂面上の接触位置の影響" 日本機械学会東北支部秋田地方講演会論文集. 981・2. 115-116 (1998)

  • [文献書誌] 伊藤 伸: "内部を流体で満たされた地下き裂に生じる振動の周波数スペクトルに及ぼす流体の粘性と透水性の影響" 日本機械学会第76期全国大会講演論文集. 98・3. 263-270 (1998)

  • [文献書誌] K.Nagano: "Crack-wave Dispersion at a Fluid-filled Fracture wiht Low Velocity Layers" Geophysical Journal International. 134. 903-910 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2012-11-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi