(1)Co基超合金基材上にNiCoCrAlYボンドコートおよび8wt%Y_2O_3-ZrO_2トップコートをプラズマ溶射した遮熱コーティング材を作製し、供試材とした。 (2)トップコートとボンドコートの界面に沿ったき裂伝ぱ試験を行うため、特殊な治具と、EDMによりスタータ切り欠きを導入した試験片を工夫し、それらの試験を可能にした。 (3)試験の結果、界面に沿ったき裂が、切り欠き先端に発生し、それが繰り返し負荷に伴い、界面あるいは界面ごく近傍のセラミックコート内を前方の潜在欠陥(気孔)を縫うようにして伝ぱした。 (4)境界要素法を用いた解析的検討の結果、トップコートとボンドコートの界面の沿ったき裂はモードIとモードIIの混合モード下で伝ぱしており、混合モード比は、き裂の伝ぱとともに複雑に変化する。 (5)異材界面に沿うき裂の伝ぱ挙動は、均質材の混合モードき裂伝ぱの支配パラメータであるK_<θmax>では支配されておらず、Ki(=(K_I^2+K_<II>^2)^<1/2>)が支配パラメータとなっている。 (6)セラミックコートの気孔率が高くなると、ヤング率が小さくなり、応力拡大係数も小さくなる。しかし、き裂伝ぱ抵抗も低下するので、両者の競合で伝ぱ挙動が決まると考えられ、最適な気孔率が存在するものと予想される。
|