研究概要 |
1.海綿骨骨梁構造における残留応力推定:牛尾の椎骨の皮質骨表面に,単軸小型防水ひずみゲージを体幹軸方向に貼付し,終板離断,体幹軸方向切断,試験片作成,体幹軸方向骨梁切断の逐次的残留応力解放操作を行い,これによる皮質骨の変形を測定した.椎骨の海綿骨を体幹軸方向,周方向,半径方向の直交格子構造,皮質骨を通常の連続体とした構造モデルと,皮質骨表面で測定されたひずみから,海綿骨骨梁における残留応力を推定した. 2.海綿骨の階層性を考えた構造モデル:海綿骨の体積分率と単軸弾性係数,平均切断長さ解析における特徴長さと方向との巨視的な特徴量と,骨梁構造の斜交格子モデルにおける格子間隔,格子幅,格子配向方向,格子交差角の微視的な特徴量との関連を明らかにした.これは力学適応を考える上で不可欠な力学状態の平均化(均質化)と局所化の基本関係を提供するものである. 3.内部構造設計による機能的連続体の設計:力学的負荷状態に適した特性を実現する連続体として,海綿骨骨梁構造のように内部構造をもつ連続体の構造設計問題を定式化した.規定された応力を閾値として,内部構造の位相が変化し,それに応じて連続体としての弾性定数値がそれぞれ指定された値となるように変化する条件を拘束とし,体積を最小化する密度分布として内部構造を求める解手順を示した.
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