研究概要 |
海綿骨の格子連続体モデルと力学適応による構造最適性,海綿骨骨梁構造の構造特性と力学特性,骨梁格子における残留応力,内部構造設計による構造体と材料構造の最適設計について以下の成果を得た. 1.海綿骨の連続体モデルとして格子連続体の利用を提案し,その単位セルの構造パラメータと構造特性の関係を導出し,海綿骨の力学モデルとして基本特性を明らかにした. 2.力学適応現象の結果達成されている海綿骨骨梁系の力学的適合特性に着目し,格子構造パラメータの速度式を,直交格子連続体における局所の力学状態に基づいて記述し,力学再構築の現象論的な構成関係を構築した. 3.骨梁構造において個々の骨梁が直交するわけではないので,海綿骨の格子モデルを斜交格子へと一般化し,海綿骨の力学特性試験と構造の画像解析による特徴量と,格子構造パラメータとの関連について考察した. 4.海綿骨骨梁の構造最適性理解に深く関係している残留応力の存在を,逐次骨梁切断試験により確認すると共に,格子構造モデルに基づく残留応力推定を行った. 5.骨の内部構造は,負荷状態に適合した形態をとる.これを参照した構造設計として,負荷の大きさに応じて構造特性が変化する可変剛性設計問題を,内部構造設計問題として取り扱う枠組みを示した. 6.内部構造に着目する枠組みの展開として,連続体としての巨視的弾性特性を負荷の大きさに適合して可変とする材料構造の最適設計問題を定式化し,内部構造設計による取り扱い方法を開発した.
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