研究概要 |
1。窒化前に材料中に存在していた転位組織は窒化処理によって再編すること,またこれらの再編した転位はN原子と強固に固着しており,このために窒化鋼の疲労強度が向上することが分った。 2。ステンレス鋼の窒化の迅速化のために,ホローカソード放電を積極的に利用する迅速イオン窒化法を提案した。この方法では,適切な処理条件を選べば同じ厚さの硬化層を得るための窒化時間を1/2以下にすることが可能であった。 3。塩沿窒化されたS45Cローラによる接触疲労試験を行い,すべり率を変化させてその影響を調べた。その結果,窒化層を持つ場合には,すべり率の影響は認められなかった。一方,窒化層を除去し,拡散層を表面とするローラでは,すべり率が正のローラ表面にのみき裂は発生し,すべり率の影響が認められた。
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