本研究は、超高密度メモリーディスクを可能にするために、数十ナノメーターで高アスペクト比(加工幅に対する深さの比)のピットを高スループット(1時間当たりの基板処理枚数)で形成することを目的としている。我々は、走査トンネル顕微鏡(STM)の探針を高分子樹脂に押しつけ、数十nm領域に塑性変形を起し、反応性プラズマで塑性変形部の異方性エッチングを行い、それを基に金型を作り、押し印リソグラフィーを行う手法を提案した。そして、期間内に(1)レジスト塑性変形部の異方性エッチングの可能性、(2)数十nmピットの金型作製の可能性、を明らかにする。本年度は、AFM/STMとプラズマエッチングでパターンを形成した樹脂の鋳型に、蒸着などで金属薄膜の転写パターンを形成し、剥離して押し印用の金型を作ることである。 (a)接触圧力解析からカンチレバー形状を求めるシミュレーション技術の確立、 (b)加工用カンチレバーの作製、 (c)押し印材料および条件の最適化、 (d)金型材料とプロセスの選定、 (e)加工形状計測技術の確立 電界蒸発と押し印法で、径70nm以下で、深さ50nm以上のピットが得られた。それと同時に、加工形状計測技術及び無電解ニッケルめっき金型作製技術を確立させることができた。
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